舞台芸術として長い歴史を持つ日本舞踊ですが、コロナ禍により未だ舞台での上演は様々な制約や制限を余儀なくされており、日本舞踊家たちも舞台で踊る機会を数多く失ってきました。
先行きの見えない不安の中、日本舞踊協会では、映像作品を製作。
“日本舞踊Neo”と称し、劇場空間を飛び出し、日本舞踊の魅力を発信いたします。
<作・演出 尾上菊之丞コメント>
「私たち日本舞踊家にとって、五大や五輪と言われる五つの要素、地・水・火・風・空の他にもう一つ、『踊』という要素が生きていくために必要である。」
これこそが作品タイトル「地水火風空 そして、踊」に込めた思いです。
日本の踊りは古来より五穀豊穣や子孫繁栄、病気平癒といった人々の祈りと願いを、人間の身体を通して表現し神仏に捧げたものです。踊りの原点ともいえる祈りと願いを、映像芸術として観客の皆さまに届けることに挑戦しました。
踏みしめる足は大地を鎮め、祈りの跳躍は炎を揺らす、突き上げる手は風を呼び込み、流れる水に清められた乙女は、天女となって空高く舞い上がる。そして、私たちはまた踊りだします。